成人式の日、娘から渡されたもの

わが家の物語

成人式の日の夜、娘から思いがけないものを渡されました

「はい、これあげる」

そう言って長女は、少し照れくさそうに部屋を出ていきました

その場では、「ありがとう」と普通に受け取ったのですが、娘が立ち去った後、じわじわと嬉しさが込み上げてきたのです

今は『二十歳のつどい』というけれど

今は『成人式』ではなく『二十歳のつどい』と呼ぶ地域も増えました

成人年齢は18歳になりましたが、振袖姿の娘を見ていると、やっぱり『成人式』という言葉がしっくりきます

なので、この記事ではあえて『成人式の日』と書かせてください

成人式当日

娘は前日に県外から帰省し、慌ただしく当日の朝を迎えました

着付けとヘアメークの予約は朝6時

家の中は朝からバタバタでした

振袖姿の娘を見て

前撮りとはまた違う髪型で、これも可愛いなあと思いました

そして何より、無事にこの日を迎えられたことが嬉しかったのを覚えています

神社で記念撮影

この日のために、長男も東京から帰省してくれました

一人暮らしをしている次男も加わって、久しぶりに家族全員が揃いました

神社で家族写真を撮ったのですが、三脚にスマホをつけて撮ると意外といい感じ

予想以上によく撮れたので、そのまま観光名所にも移動して、家族で写真を撮影をしました

娘から渡されたもの

成人式とその後の同窓会を終えて帰宅し、ホッと一息ついた頃

娘が私のところへやってきて、ぬいぐるみを差し出しました

「はい、これあげる」

渡されたぬいぐるみを抱いた瞬間、思ったよりもずっしりと重くて驚きました

そして、足裏に刺繍された文字を見て、ハッとしました

そこに記されていたのは、娘が生まれた日の体重

「もしかして、生まれた時と同じ重さ?」

そう気づいた私に、娘は

「ウエイトベアで検索してみて」

と言いました

そして「じゃあ、おやすみ」と言って、部屋を出て行きました

ウエイトベアを検索

実はそれまで、私は『ウエイトベア』というものを知りませんでした

娘に言われた通り『ウエイトベア』と検索してみました

すると、生まれた時の体重と同じ重さで作られたぬいぐるみで、結婚式などで両親への贈り物として選ばれていることもあると知りました

娘が生まれた時の体重を、20年後にもう一度この腕で感じている

この重みは、『あの日の重さ』だったのです

そう思うと、じわじわと嬉しさが込み上げてきました

写真には残らなかったけれど

今になって少し心残りなのは、その時、一緒に写真を撮らなかったことです

その時は、お互い完全なすっぴん

成人式のキラキラ感は、すでにどこかへ消えていました

きっと娘も、「今日はもう無理」と思ったのでしょう

でも、そんな飾らない時間だったからこそ、余計に心に残っている気もします

生まれた日のこと

娘は私にとって3人目の子どもでした

上の二人の出産を経験していたこともあり、分娩は比較的スムーズでした

もちろん、痛みは普通にありましたが(笑)

そして、初めての女の子

ウエイトベアを抱きながら、娘が生まれた日のことを自然と思い出していました

あんなに小さかったのに

あんなに小さかった長女が、今では自分の人生をしっかりと歩いています

まだまだ心配になることもあるけれど、人を思いやれる優しい女性に成長したんだなと感じました

20年後、もう一度抱いた重さ

あの日生まれた、小さな命

あれから20年

こんな形であの日を思い出すなんて、思ってもいませんでした

子育ては大変なこともたくさんあったはずなのに、不思議と思い出すのは長女の笑顔ばかりです

心の薬

今は自由気ままな一人暮らしで、それなりに楽しんでいます

それでも、仕事でつらい思いをしたり、悔しいことがあったり、心が疲れる日もあります

そんな時、ウエイトベアをぎゅっと抱くと、不思議と

『がんばろー』

と思えるのです

今では、私にとって心の薬のような存在になっています

まとめ

成人と言われても、親としての感覚はなかなか追いつきませんでした

でも、本当に『大人になったんだな』と感じたのは、

振袖姿を見た時でもなく、

家族写真を撮った時でもなく、

あの日の夜、ウエイトベアの重さを腕に感じた瞬間でした

娘へ

生まれてきてくれて、

ありがとう