片頭痛とわたし①|子どもの頃から続いた頭痛と40代で始めた治療

からだの変化

私は小学生の頃から、長い間、頭痛に悩まされてきました

でも当時は、それが『片頭痛』とい病気だとは思っていませんでした

私にとって頭が痛くなることは、あまりにも日常的なことだったからです

『頭痛持ち』という言葉もありましたし、周りからも『頭痛なんてよくあること』と思われていたように感じます

なかなか周囲に理解してもらえず、つらい思いをすることもありました

そんな私が、本格的に片頭痛の治療を始めたのは40代になってからです

それまで、どのように頭痛と付き合い、なぜ治療を受けようと思わなかったのか

今回は、子どもの頃から本格的な治療を始めるまでのことを振り返ってみたいと思います

子どもの頃から悩まされてきた頭痛

雨の日になると頭が痛かった

小学生の頃から、私は雨の日になるとよく頭が痛くなっていました

雨が降る日は、なんとなく体がだるく、頭が重くなることがありました

でも当時は、それが特別なことだとは思っていませんでした

『雨の日は、みんな頭が痛くなるものなんだ』

子どもの私は、本気でそう思っていたのです

だから、頭が痛くなっても、できるだけ我慢して過ごしていました

そんな私の記憶に、今でも忘れられない小学校での出来事があります

「みんなしんどいよ」と言われた日のこと

小学校2年生の頃、学校の体育館で全校生徒が映画を見る時間がありました

体育館には暗幕が引かれ、真っ暗な中、大きなスクリーンに映し出された映画をみんなで見ていました

その途中、私はとてもしんどくなり、体育座りのままうつむいて、耳をふさいでいました

すると担任の先生が来て「どうしたの?」と声をかけてくれました

まだ小学2年生だった私は、自分の状態をうまく説明することができず、ただ「しんどい」と伝えました

すると先生から

「みんなしんどいよ。保健室に行く?」

と言われました

その言い方が、子どもだった私には少し怒っているように聞こえました

『みんな我慢しているのに、何をわがままなことを言っているの』

そんなふうに言われているような気がしたのです

それでも本当にしんどかった私は「保健室に行きます」と答え、保健室へ行きました

保健室の先生が熱を測ってくれましたが、熱はありませんでした

しばらく横になって休んでいると、不思議なことに頭の痛みや吐き気もおさまり、しんどさもなくなりました

今振り返ると、あれも片頭痛の発作だったのだと思います

でも当時は、そんなことは分かりませんでした

教室に戻ると、担任の先生から「熱あったの?」と聞かれました

「なかった」と答えた私に対する先生の様子から、子どもながらに、どこか疑われているような気がしました

本当にしんどかったのに、うまく説明できない

そして、分かってもらえない

「この先生には、私のしんどさを分かってもらえない」

そう感じてから、担任の先生に自分の気持ちを話すことは少なくなりました

そして、先生から言われた「みんなしんどいよ」という言葉も、私の中に残りました

「しんどいのは私だけじゃない。みんな同じなんだ」

「暗いところで明るい画面を見るとみんなもしんどくなる。でも、映画は楽しいから、みんな我慢して見ているんだ」

子どもの私は、本気でそう思っていました

それから学校で映画を見る時間があるたびに、どんなにつらくても「しんどい」とは言えなくなりました

また保健室に行けば、先生に「またか」と思われるかもしれない

本当はしんどくないのに、嘘をついていると思われるのが嫌だったのです

だから、頭が痛くなっても、目を閉じたまま映画の時間が終わるのをじっと待っていました

今思えば、みんなが同じようにつらかったわけではありません

でも当時の私は、雨の日に頭が痛くなるのも、暗いところで明るい画面を見るとしんどくなるのも、みんな同じなのだと思い込んでいました

それも、私が長い間、自分の頭痛を「病気」だと思わなかった理由のひとつだったのかもしれません

大人になってから、それはどうやら私が思っていた意味とは違うらしい、と気づきました

雨の日だけではなかった頭痛

ここまで雨の日のことを書いてきましたが、私の片頭痛は雨の日だけに起こるわけではありませんでした

晴れた日でも、強い日差しをまぶしく感じたときに頭が痛くなることがありました

また、雨が降っていなくても、曇りの日に頭痛が起こることもありました

天気だけが原因というわけではなく、そのときの体調など、さまざまなことが関係していたのかもしれません

そして、片頭痛が起きているときは、光や音がとてもつらく感じました

普段なら気にならない音まで大きく感じ、頭の痛みがさらに強くなることもありました

頭の痛みだけでなく、光や音までつらくなる

それも、私にとって片頭痛の苦しさのひとつでした

市販薬で乗り切っていた頃

中学生くらいになると、どうしてもつらい時には市販の頭痛薬を飲むようになりました

それでも、この頃はまだ『片頭痛という病気を治療している』という感覚はありませんでした

その後も30代頃までは、頭が痛くなるたびに市販薬を飲んで、何とかしのいでいました

ところが30代前半の頃、いつものように市販薬を飲んでも、頭痛がおさまらない状態が続いたことがありました

「これは一度きちんと診てもらったほうがいい」

そう思い、初めて脳外科を受診しました

脳腫瘍の可能性を告げられて

診察で頭痛の症状や、市販薬を飲んでも痛みがおさまらないことを先生に話しました

すると先生から、年齢や頭痛の症状などを踏まえて、脳腫瘍の可能性もあるため、一度きちんと検査をしたほうがいいと言われました

『脳腫瘍』という言葉を聞いた瞬間、急に怖くなりました

それまで私は、頭痛を『よくあること』くらいにしか考えていなかったからです

検査を受けるまでは、とても不安でした

幸い、検査では大きな異常はありませんでした

ホッとしたのを覚えています

そして、そのとき処方された頭痛薬が驚くほどよく効きました

たった一錠飲んだだけで、それまで続いていた痛みが少しずつ和らいでいく

「こんなに効く薬があるんだ」

と、本当に感動したものです

40代でようやく本格的な治療へ

30代で一度脳外科を受診したのは、その一度きりでした

処方された薬で、それまで続いていた頭痛がおさまり、その後は通院することもありませんでした

このときは片頭痛と診断されたわけではなく、継続して治療を受けることにもなりませんでした

その後、引っ越しをしました

そして40代になると、頭痛が起こる回数がさらに増えていきました

多いときには月に10回を超えることもあり、3日に1回くらいのペースです

そんな頃、テレビ番組で片頭痛について取り上げられているのを見ました

それまでの私は、頭痛くらいで病院に行くものではないと思っていました

よほどひどい頭痛でない限り、薬を飲んで我慢するものだと考えていたのです

でも、その番組では、片頭痛はきちんと診察を受けて治療することが大切だと伝えていました

片頭痛でも病院に行っていいんだ

私にとって、それは大きな気づきでした

今思えば、片頭痛についての知識があまりにもなかったのだと思います

そして、引っ越し先の脳外科を受診したのです

MRI検査や問診を受け、そこで片頭痛と診断され、本格的な治療を始めることになりました

その後は、1〜2ヶ月に一度、定期的に通院することになりました

頭痛は我慢するものだと思っていた

小学校の頃から当たり前のように付き合ってきた頭痛

私にとっての頭痛は、時々お腹の調子が悪くなるのと同じように、日常の中で起こる体の不調のひとつでした

つらいときには薬を飲み、何とかやり過ごす

それが当たり前だと思っていたのです

病院に行ったところで、頭痛薬を処方されるだけだろう

そんなふうにも考えていました

そもそも、片頭痛に治療というものがあることさえ知らなかったのです

そんな私が40代になって、ようやく片頭痛という病気と向き合い、本格的な治療を始めることになりました

ここまでずいぶん遠回りをしてきたようにも思います

続く②では、実際に受けてきた治療や、片頭痛がどのように変わっていったのかを綴っています

片頭痛とわたし②|治療を知って変わった日常
子どもの頃から片頭痛に悩まされてきた私が、40代で治療を始めた体験談。予防薬や月1回の自己注射を約1年半続けた経緯、片頭痛の回数の変化、注射をやめたあとの状態について綴ります。